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IR情報


株主・投資家の皆様へ

今後のビジネス戦略について

この度の加齢黄斑変性を適応症とする「エミクススタト塩酸塩」におきまして、有効性が確認できなかったことを重く受けとめております。同時に、皆さまにご心配をおかけしましたことを心中よりお詫び申し上げます。

弊社におきまして、他の進行中の主な研究開発を中断する予定はないということを最初に申し上げ、今後のビジネス戦略についてご説明をさせていただきます。


引き続き邁進するエミクススタト開発

加齢黄斑変性を対象とした開発計画につきましては、すでに着手しております臨床第2b/3相試験508例の全データ解析後に検討に入る予定です。新たな進捗があり次第、発表をさせていただきます。

エミクススタト塩酸塩は、糖尿病網膜症、スターガート病を適応症として開発を継続いたします。

糖尿病網膜症は、糖尿病の3大合併症のひとつであり、病態は単純期、前増殖期、増殖期へと進行します。弊社は、重度の増殖糖尿病網膜症を対象に臨床試験を実施し、将来的には、前増殖型、単純型、ならびに合併症である糖尿病黄斑浮腫への適応拡大も視野に入れております。糖尿病網膜症は、日本では中高年の失明原因の第2位となる眼疾患で、世界では1億500万人が罹患していると言われている病気です。弊社は増殖糖尿病網膜症の臨床第2相試験を現在実施しております。

スターガート病は、若くして中心視野が失われ失明に至る恐れのある遺伝性の黄斑変性疾患です。この有効な治療法のない希少疾患に対しまして、1日でも早く臨床第2相試験を始めるべく研究を進めております。


革新的な医薬品候補群

今年の3月に、導入を発表いたしました白内障治療薬候補の「ラノステロール」につきましては、年内に非臨床試験を開始し、来年には白内障患者を対象とした臨床第1/2相試験を実施する方向で研究を進めております。

白内障は、世界の失明原因の51%を占めており、 眼球内にある水晶体を構成するタンパク質が凝集することにより混濁を生じる疾患です。一般には老視(老眼)もしくは加齢に伴い発症すると考えられています。先進国を中心に、中等度から重度の患者さんには眼内レンズを移植する手術が治療の選択肢として提供されています。 その数は世界で年間2,400万件に及びます。

現在、白内障に対し、薬剤による非侵襲的な根治療法はありません。そのため、点眼薬で水晶体の混濁を解消し視力を改善できる侵襲性の低い薬物治療が可能になれば、眼科医療に飛躍的な進歩をもたらすと、弊社は考えております。


網膜色素変性症に対する遺伝子療法「オプトジェネティクス」につきましても予定どおり研究開発を進めてまいります。

網膜色素変性症は、遺伝性の網膜疾患で、幼少期に発症する例も多く見られます。欧米およびアジアでは約4,000人に1人、世界で140万人が患っていると言われる希少疾患で、厚生労働省が難病に指定しています。現在のところ網膜色素変性症に対する有効な治療法はありません。


弊社では、2016年から2018年にかけて、非臨床試験を行い、2018年には臨床第2相試験を実施することを目指しております。


1:POC(プルーフ・オブ・コンセプト):開発概念の実証。ヒトを対象に新薬候補の安全性や有効性を探索し確認することを指します。創薬の研究開発のマイルストーンのひとつです。
2:VCM(視覚サイクルモジュレーター):視覚サイクルの速度を抑制し、調節します。(視覚サイクルとは、網膜内において生物学的に光量子を電子信号に変換し続けるために必要な仕組み)
3:2012年、弊社は、共同開発パートナーである大塚製薬との間の開発および提携契約に基づき、アデノシンA2a受容体アゴニストであるOPA-6566に関し、米国において緑内障または高眼圧症の患者さんに対する臨床第1/2相試験を行いました。現在大塚製薬は、かかるプログラムに関し次の段階を検討しています。


持続可能なビジネスモデル

現在、弊社は約 160億円の資金を保有しており、戦略的に開発を遂行するには十分であると考えております。

弊社の研究開発戦略として、2年間でPOC(Proof of Concept: ヒトを対象に新薬候補としての有効性や安全性を探索し証明するもので、「開発概念の実証」とも言います。創薬開発の大事なマイルストーンです。)を取得できることを条件として、化合物や技術の研究開発を行い、係るコストは開発品一つに対して10億円前後もしくはそれ以下を見込んでおります。POC取得後は、基本戦略としては速やかに開発パートナーを探し、アップフロント支払いでそれまでの開発コストを回収し、その後の開発費用を確保しながら、マイルストーン支払いで余剰金を確保し、共同開発を経て上市を目指します。長期的に自己資金を大きく減らすことなく、費用対効果が高く、かつ、革新的な眼科医療の実現を目標に、持続的研究開発に取り組んでまいります。白内障治療薬候補「ラノステロール」、網膜色素変性症に対する遺伝子療法「オプトジェネティクス」などを含む全ての研究開発プログラムに共通した戦略です。

今後も技術導入および自社研究開発強化における進捗はご報告をさせていただきます。


最後に

世界から失明を撲滅するという私どものミッションに変わりはありません。これからも、株主・投資家の皆様に、速やかな企業価値の向上を目指す弊社の取り組みをしっかりとお伝えできるよう、努めてまいります。引き続き最先端科学を取り入れた革新的眼科医薬品開発を続けてまいりますので、末長くご支援ご鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。


2016年5月31日
アキュセラ・インク
会長、社長兼最高経営責任者
窪田 良 MD, PhD


企業理念

視力の低下をまねく眼疾患の撲滅を目指し、革新的な新薬の探索および開発に取り組む